車輪の国、向日葵の少女
○レビュー
■シナリオ(世界観、ストーリー、キャラクター)
ストーリーは最高クラス。
他作品には見られない斬新な設定は言うまでも無く、キャラ立ても特徴的だった。
全体的に癖のあるキャラクターだが、慣れれば面白い。
また、舞台が現実世界ではないため、こういう作品では言葉の選び方が難しいのだが、「現実世界を舞台としたSF小説」が広く知られているという設定で難なくかわしたのは見事。
■絵(立ち絵、OPムービー)
中々。
OPムービーの演出の仕方はかなりいい。
また、ラフ絵のCGはすごくきれいだったし、所々入るデフォルメの絵もよかった。
■音楽(OP・ED曲、挿入歌、BGM、SE)
中々。
OP曲はよかったし、山場のBGMは非常にレベルが高い。
一部、「このSEはどうよ…(苦笑)」というところもあったが(^_^;)
■その他
声優陣の演技はとてもいい。
特に法月将臣は若本規夫さながらで、いい味を出していた。 調べて分かったのだが、法月将臣役のさとう雅義は若本規夫と同一人物だったらしい。
システムも使いやすい。特に不満も無かった。(普通150もセーブしないだろ、とは思うが)
■全体的に
下馬評どおりの名作。
世界観も素晴らしいのだが、各ヒロインが「義務」を負っているという設定もこれまた秀逸。
しかも各ヒロインが背負う罰が、「時間」、「親子」、「恋愛」と非常に深く、社会派エロゲといった感じか。
人によっては、ほぼ一本道のストーリー展開に不満があるらしいが、「ノベル」という感覚で捉えれば素晴らしい出来。
ただ、シナリオが素晴らしい分、エロゲである必然性があるのかは疑問。
もちろん、エロゲを否定する気はないし、エロシーンがあっても構わない。(現に、各章冒頭の璃々子と主人公のシーンは、主人公の性格形成において非常に重要だと思う)
だが、各ヒロインとのセックスシーンは、「君が望む永遠」や「SchoolDays」みたくストーリーに大きく影響を与えるものでもないし、鍵作品のように主人公とヒロインの心情描写をメインにするわけでもない。
言ってしまえば、セックスシーンはゲーマーに対するクリアしたご褒美のような感じで、ヒロイン一人一人の話を各章ごとに進める形式のこのゲームでは違和感しか生まない。
そこまで素晴らしいストーリーだったので非常に残念だった。(どうせなら思い切って各ヒロインとのセックスシーンは削ってしまった方がいいのではないかと思う)
○総括
舞台設定は群を抜いて素晴らしい。
キャラ立ては癖があるものの面白いし、シナリオの質も声優陣の演技もよかった。
ただ、上で述べたようにセックスシーンの必要性は感じられず、本編との繋がりに違和感があった。
他の要素が素晴らしいだけにその違和感が際立っていたのが残念な作品。